両親が現場に到着。
「お前ケガはないな? 」
「ああ・・うん・・」
僕は動揺していた。事故の当事者だが、どう行動すればいいのかも分からず、ただ突っ立っていた。
無力だった。野次馬が集まり始め、いたたまれない。
父親が僕に事故の状況を詳しく聞いた後
「後は俺がやるからお前は相手とは話をするな」
と強く言われる。
警察が現場に到着し、事故相手と僕は別々に事故状況を説明する。お互いの話に矛盾はなく、運転免許証を掲示して解放された。
両親は事故相手を病院まで送り、その後お互いの保険屋を交え交渉。相手は首のむちうちを訴えていた。
父親が金銭的な交渉をして、母親は相手をなだめて、心理面のケアを行ったらしい。
「事故直後は頭に血がのぼっちゃいましたが、お宅の息子さんは真っ先に謝罪してきた。真摯な態度が伝わってきましたよ。 」
事故相手は時間の経過と共に、態度を軟化させたらしい。
結局はこちら側が保険金を支払う事で納得した。父親の車ホンダオデッセイは車軸が曲がってしまい廃車に。車にエアバッグは付いていなかった。僕は丈夫な車のおかげで無傷だった。
その時交渉に当たった保険屋もこの業者である。手広く色々商売しているらしい。
「何かあった時にすぐ駆けつけてくれる。あの時もお前はお世話になったな」
父親が言う。
巷に溢れている今の車の保険料は安い事は知っている。だがこの経緯があり強く言えない。次回の更新の時までに無事故だったら乗り換えてしまおうか?
命も金も大事だから。
とにかく二日後が楽しみだ。